国を豊かにする投資教育の普及

国を豊かにする投資教育の普及

※これは2019年4月3日の記事です。

今回は、インドネシアのバリ島からお届けしています。

この時期のバリ島は雨季ですが気持ちいい気候で、個人的にはとても好きな時期なんですよね。

そんなバリ島から今回お話するのは、村上世彰さんが始める、新事業について。

村上さんといえば「物言う株主」として知られる有名人で、旧村上ファンドで物議を醸した後、シンガポールに移住してしまいました。

今回は、そんな村上さんの活躍について取り上げながら、日本という国の未来について話を広げて、考えてみたいと思います。

これは以前からお話していることですが、日本国内だけの常識で考えても、なかなか国の真実は見えてこないものです。

私のように、実際に海外を訪れて考える必要まではないかもしれませんが、外側から日本について見つめ直してみる、という意識はとても大切なことなんですね。

ぜひ今回の話をきっかけにして、あなたも、日本の未来や投資の重要性について、改めて考えてみましょう。

いま村上さんが取り組む教育事業とは

今回お話する村上世彰さんといえば、やはり記憶に残っているのは、2006年のインサイダー取引問題でしょうか。

その後、日本から追い出されるようなかたちになってしまった村上さんですが、その後は拠点をシンガポールに移し、生涯現役として、いまは当時よりもさらに活躍の幅を拡大させています。

この事実だけを取り上げてみても、投資、金融の分野において日本が村上さんという人物を失ったことは、長い目で見ればとても大きな損失だっただろうと思います。

いまでも世界的に活躍し続ける村上さんが、日本で投資、金融に関わり続ける環境をつくることができたなら、いまの日本はもっと良いかたちになっていた可能性があったかもしれません。

そういったことを改めて考えたのは、村上さんの「投資教育事業」がきっかけです。

この事業について簡単にお伝えすると、中学生や高校生を対象に株式の投資資金を貸して若いうちから投資に触れてもらい、金融や投資の世界を盛り上げていくというものです。

私は社会貢献事業だと思っているんですけど、やはりというか、この活動について、日本ではあまり好意的に受け入れられていないようです。

欧米であれば投資や金融に関わる学習は、当然のごとく教育の現場に取り入れられています。

自分の子どもはいまオーストラリアに留学中ですが、むこうの小学校や中学校では、株式投資や金融に関わる授業が普通にあるんですよ。

こうした点からも、将来における金融や投資分野の差は、日本とは大きくかけ離れていくと思います。

欧米では、実際に高校生になると授業の一環として、投資を自分の資金で行う生徒もいますし、その結果、在学中に資金を倍以上にする生徒も少なくありません。

海外にある、こうした教育環境というのは羨ましいことだなとつくづく思います。

こういった投資や金融を広めることが、結果として国の経済を支えているというのが紛れもない事実としてあるわけですが、日本人はこの点について、なかなか認めにくい部分がありますよね。

結果として、早い段階で投資に目を向けている一部の人だけがお金を手にして、そういった環境に否定的な人は、そのまま人生を終えるような構図になってしまっています。

そんな日本の状況に対して、村上さんが先陣を切って「子どもたちから投資教育を広めていくんだ」という姿勢を見せたことは、とても大きな意義のあることだと思いますし、私は大きな拍手を送りたい気持ちです。

日本の未来につながるトレーダーの成長

投資や金融の取り組みで豊かになるのは、個人だけではありません。

これは結果的に、国の豊かさにも影響してきます。

たとえば過去20年、各国の給与面で比較してみると、欧米では平均して給与が倍以上になっている一方で、日本の毎月の給与額は逆に下がっています。

ここに、過去から続く「投資教育の普及」問題が関わっていると思うんです。

常に欧米諸国が経済の先頭を走り続けているのは、投資や金融に関する知識、経験が積み上がっていることも影響しています。

しかし日本にはそういった風土、考え方がありません。

むしろ投資や金融に深く関わるほど、日本ではすぐ叩かれてしまいますよね。

これはもしかすると、一部の人たちのみが「既得権益」を得るために、このような方向で動いているんじゃないかな、とさえ考えてしまいます。

実際に村上さんも、とても価値の高い人物だったにも関わらず、結果的に日本から追い出されるようなかたちになってしまいました。

村上さんのような人物が出ることを、長期的に見て、歓迎する素地が日本にはないんです。

短期的な判断によって「自分にとって邪魔だ」「既得権益が侵される」と考えてしまう、そんな人がたくさんいるのかなって思ってしまいます。

また税金にも目を向けてみると、日本では年々重くなっていますよね。

今後10年、20年と経過したら、さらに税率が上がっていくのは簡単に想像できます。

しかしこの状況に対して日本という国は「どうにかなるだろう」くらいに感じています。

実際、これまでも給料が上がらない、しかし税金は増える傾向にありながらなんとかなっているので、今後もきっとなんとかなる、国民はそれくらいの感覚なんだと思います。

このような状況にあるのはやはり、冒頭からお伝えしているように投資家やトレーダーを育てる環境が日本にない、というのが一番の問題ではないでしょうか。

そんな日本でこれからも生きていくためにも、長期的に考えたら、いまトレーダーとして確固たる地位を築くというのは、ご自身のためでもあり、将来の日本のためにもなるはずだと思います。

すでにトレードを行っている方も、そして、これから投資を始めていこうか考えている方も、ぜひ今回お届けした「投資の意義」についても感じてもらいながら、トレーダーやその先の成功を目指してほしいと思います。

PAGE TOP