※これは2018年1月26日の記事です。
最近は涼しい日が多くなり、すっかり秋らしくなってきましたね。
そんな中、実は先日まで家族でオーストラリアのゴールドコーストを訪れていました。
これまでもブログでお伝えしてきましたが、次男が現在オーストラリアに留学中なので、久しぶりにその様子を見に行っていたんですね。
また、今回はもうひとつ、目的がありました。
それは、長男がオーストラリアの永住権を取得したいとのことで、その手続きについて確認するため、ブリスベンという街にいる弁護士を訪ねてきたんです。
オーストラリアは教育が非常に優れていますが、この国で暮らしたいという人が多い理由はそれだけではありません。
永住権について確認を重ねる中で、今回、見えてきた日本との違いやオーストラリアの強み、魅力などを本日お伝えできればと思います。
オーストラリアの永住権を得る方法
あなたは日本以外の国で暮らすための手続きが、どのように行われるかご存知ですか?
国によって手続き方法や条件は異なるんですが、オーストラリアは日本と比べてもうまい仕組みを確立していると、今回私はとても感心しました。
オーストラリアという国は、「どれだけの資産を国内に運んでくれるか」という点をうまく判断しています。
たとえば、日本でいえば国債にあたる、州が発行する債券を購入したり、もしくはベンチャー企業へ投資したりといった条件が、永住権を認めるステップの中に組み込まれているんです。
もしくはこのような投資家としてのステップだけでなく、医者や弁護士といった専門職を手にして国内で働く、または起業家としてのステップもあり、いくつかの切り口から、オーストラリアにとって有益であることが認められることで、永住権が得られるんですね。
言葉にすればシンプルですが、そのハードルはかなり高いといえます。
ただ、それでも中国人をはじめ、永住権を取得したい方は非常に多いそうです。
その人気の背景には何があるのかというと、「教育」がひとつの輸出産業になっている点が挙げられます。
これまでにもお話ししたことがある通り、オーストラリアの教育はすごく良くできていて、世界に誇れるシステムです。
日本のように5教科中心に学ぶのではなく、オーストラリアでは若いうちから、本人の関心が高い分野をじっくり学べる仕組みがあります。
そしてここで、国としてうまいなと感心させられたのが、まずは学生としてオーストラリアに人を呼び込み、そこで国の魅力をたくさん知ってもらう。
その結果、永住権を取得したいという人を増やして、永住権が欲しいなら経済活動に貢献してくれる方を認めましょう、という流れが確立されている点です。
そう、このスタートラインには「教育」があり、そこから経済活動の活性化にまで、繋げているんですね。
そこがオーストラリアの、とても上手だと感心させられた大きなポイントでした。
オーストラリアで暮らす魅力
もともとオーストラリアは、地理的にも良い国です。
戦争やテロの危険性から離れているのも、この国に永住したいと考える人が多い点といえるでしょう。
また、さらに見逃してはいけないのが「政策」について。
実はオーストラリアは、子どもと老人に非常に手厚い国なんです。
たとえば、子どもが3人以上うまれた家庭は、仮に夫婦が一切働かなかったとしても毎月不自由なく生活できるだけのお金が税金から捻出されます。
そして、お年寄りにも高額な年金が支払われます。
その上、医療と教育はオーストラリア人であれば無料で提供される、といったように、とにかく税金の使い方がとてもうまいんですよね。
これによって、子どもの数が増えれば、国内での労働人口を支えることもできます。
また働く世代にとっても、頑張れば老後は安泰であることが感じられるおかげで、将来のために頑張って働こう、というところにつながっていきます。
実際のところ、オーストラリアの平均年収は上がっていて、政策はきちんと効果を発揮しているように見えますね。
ちなみにOECD加盟国の中で、年収が上がっていない、むしろ下がっているのは日本くらいです。
たとえば日本人にとって、年収400万円、500万円という金額はけっこう高い印象があるのではないでしょうか?
しかし、これがヨーロッパなどになると、平均年収1,000万円を超えているところもあります。
「平均」でこの年収というのは、日本人の感覚からすると驚きですよね。
アメリカやカナダ、シンガポールなども同様ですし、気になるオーストラリア、ニュージーランドも年収1,000万円を超えている人は少なくありません。
世界を見ても日本だけが、なかなか上がらずに足踏みしている状態なんです。
日本がこれから解決するべき課題
そんな中で、日本政府はいま、躍起になって日本の最低賃金引き上げをやっています。
労働者の立場から見ると、すごく良いことに思うかもしれませんが、結局これも難しい施策なんですよね。
実は同じように最低賃金引き上げを行って、韓国は失敗してしまいました。
「最低賃金引き上げ」によって何が起こるかというと、特に中小企業では、人件費がかかってしまうため、最終的に「倒産させる」という選択が生まれてしまいます。
そうすれば失業者が増えて、目に見えて景気は後退してしまいますよね。
もしくは、経営者が何とか会社を存続させようとする場合、それでも人件費は上がってしまう点は変わりませんから、特技がない人、労働生産性が悪い人はリストラする、という道に進まざるを得ない状況となります。
このように、ちょっと考えてみただけでも、「最低賃金引き上げ」の先には、働く人の環境は悪くなってしまう可能性があるんです。
政府の狙いとしては、最低賃金引き上げを行うことで、経済的にゆとりを持った人に買い物や投資の余裕を手にしてほしい、そして景気を刺激して、納税額も増やしたい、という目的があるでしょう。
しかし重要なのは「経営者側がどう出るか」です。
さらにそこにきて、以前からも話題にしている「働き方改革」です。
これまで残業していた人たちも、今ではなかなかできなくなって、その結果収入としての残業代が期待できません。
それでは、その分だけ仕事が減るのかといえば、そうもいきません。
場合によっては家に持ち帰って、残業代も出ないのに働かざるを得ない。
これは結局、労働者が損をしている状況ですよね。
今回、オーストラリアの経済の仕組みに触れることで、改めて日本の課題や問題点を感じる機会となりました。
日本にも、諸外国の良い点を見習いながら、少しずつでも良い国になってほしいと願っています。
またそのために国民一人ひとりができることとして、私も投資教育の普及と、事業の発展、そこから経済活動に貢献していくことに、日々努めていきたいと改めて考えさせられました。
その一端として、今後も経済や投資の理解を深めるきっかけになれば幸いです。