※これは2019年9月4日の記事です。
今日は国際的なところに目を向けたいと思います。
みなさんもご存知の通り、現在日韓の対立は非常に激化しています。
もちろん日韓の対立の背景には、ニュースで取り上げられている徴用工の問題やレーザー照射の問題だけにとどまらず、日本政府による韓国ホワイト国の除外、韓国もその報復として同じことをやるなど、それ以外にも複雑な問題がたくさんあると思います。
この問題だけでなく、これからの世界情勢と分散投資の変化について、考えていきたいと思います。
資本主義と共産主義の戦い
今、大きな問題の1つとして挙げられているのが、米中の貿易摩擦です。
GDPの世界第1位と第2位の国が、互いに関税を上乗せし合っている状況ですので、多くの国にマイナスの影響が波及していくと思います。
そして時期を同じくして、香港のデモも沈静化する見込みがない状況です。
このデモは香港の自由主義を守れるかどうかの戦いなので、全世界の注目が集まっているといえます。
香港が守り続けてきた一国二制度ですが、親中派という中国寄りの考え方をもった人達が、香港議会の多数を占めるようになり、中国系のパワーが香港議会で強まってきました。
もし香港の自由や自治を守れず、中国に飲み込まれるようなことがあれば、次はおそらく台湾が標的になると思います。
隣国の韓国の政権も、いつまで保つかわかりませんので、北朝鮮に服従し飲み込まれるような事態も絵空事ではありません。
こういった日韓の対立や米中の貿易摩擦、香港のデモは、共産主義と資本主義の戦いなんですね。
もし東アジアで共産主義の勢力が拡大していくとなれば、自由主義陣営の砦は、近隣では日本にだけになってしまいます。
その場合、日本の国としての価値は相対的に高まりますが、地政学的に共産主義と資本主義の戦いの最前線で、防波堤のような役割になると考えられます。
このような共産主義の台頭が、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどの権利や自由貿易を進めていきたい、富んでいきたいと思う資本主義国の非常に大きな脅威となるわけです。
金の価格から見える世界情勢
一昔前は「有事の金」 と考えられ、世界情勢が非常に危うい状況になると、既存のドルや円、ユーロといった通貨よりも、金などの現物のほうが安全だと言われていました。
世界各国が発行する通貨の価値は、その国の政権が国の地位を維持できるかどうかにかかっています。
この国としての価値を反映するのが、為替の価値になります。
ですから国への信頼が揺らげば、国が発行する通貨ではなく、金が買われるという発想に繋がるのですね。
冒頭でお伝えした、日韓の対立、米中の対立、香港のデモ、これらのようなことがあると、「あれ?この国これからも大丈夫かな?」という不安が生じるわけですね。
そうなると国の価値、つまり為替の価値が下がり始めるので、投資家をはじめ、世界各国が金を買い始めます。
今現在金のチャートを見ると、ここ2ヶ月くらいで価格が急上昇していて、何十年ぶりかに、1グラムあたり5000円の値を越えてきています。
私自身も何年も前から金を保有しているので、金の価値が上がるのは嬉しいことなのですが、金価格が上がるということは、世界の情勢、今であれば特にアジアがとても不安定な状況であるという事実も知っておくべきことだと思います。
注目される仮想通貨
そして我々投資家としてもう1つ注目すべきは、今の時代は金以外にも仮想通貨が買われる可能性が高いということです。
世界中の企業でも、国でも、個人でも、誰もが、何かの形で資産をもっています。
日本人はほとんど「円」だけしか持っていないので、あんまりピンとこないかもしれませんが、世界のマーケットでは、常に何かと何かを交換して、持っているだけで安全なもの、これから価値が上がりそうなものを資産として持つことが常識です。
つまり価値が下がるかもしれないものを、資産として持つのはありえないことなんですね。
日本政府が緩やかなインフレを目指すと、あれだけアナウンスしているにも関わらず、日本人は今でも資産が目減りするとわかっている円だけを保有している現状です。
これは、日本人が円という通貨に慣れきってしまい、他の資産と交換するという発想がそもそも挙がってこないからです。
今「有事の金」と言われ、金が買われているわけですが、ドル円やドルストレート系のチャートを見ると、それほどドルが買われている感じはしません。
そうなると、世界のマーケット資金はどこに向かっているのか?この考え方が重要です。
昔は「有事の金買い」で良かったのですが、これからは「有事の仮想通貨買い」ということも投資家として注目しなければなりません。
まずは世界情勢が不安定になった時にどこに投資をするか?という、投資家たちの考えをを読んでみましょう。
すると、自ずと答えが見えてきます。
金以外の現物として、不動産が買われますが、現状はそれほど買われていません。
なぜなら、有事の際に不動産の価値は、その国のパワーに比例して目減りしていくと考えられるからです。
では仮想通貨はどうか。
仮想通貨で一番影響力のあるビットコインのチャートを見ると、底堅く顕著に100万円を超えて推移しています。
さらに注目すべき点は、ここ1ヶ月の間に何回も安値を試しにきている状況です。
実際には安値を割ることができず、テクニカル視点でこの価格がサポートになっているのですが、今現在の世界的な背景から、様々な仮想通貨やビットコインにも資金が流れている可能性が考えられます。
こういった投資家の思考を読み、実際の状況を見た結果、私は金と同じようなことが起こるとするならば、価値が顕著に推移する仮想通貨なのではないかと行き着きます。
もちろん、仮想通貨もビットコインだけではありませんから、具体的にどの仮想通貨を選ぶべきなのかも考える必要がありますが、先に挙げたビットコインの場合は、仮想通貨の中では市場が大きく、発行枚数も決まっていて希少性が高いので、価格が落ちた時は拾っておいても損はないでしょう。
冒頭でも言ったとおり、有事であることを前提にするならば、金も買って、価値が下がったら買い下がる。
という分散投資でも良いでしょう。
さらにこれからの時代は、「有事の金買い」だけでなく「有事の仮想通貨買い」にも注目して値動きを見てほしいと思います。
一時的で感情的な目線ではなく、どうすれば自分の人生設計に有利なのか?
といった冷静な目で世界情勢を見れば、何に分散投資をしたらいいかがわかってくるでしょう。
日本人一人ひとりが世界情勢にアンテナを張り、分散投資を考えることが重要になってきているわけです。