『人生は投資』資金を増やすのに必要なのは収支のバランスだった!?

『人生は投資』資金を増やすのに必要なのは収支のバランスだった!?

※これは2017年5月26日の記事です。

先日、弊社クロスリテイリング株式会社が主催した、とあるパーティーが開催されました。

その挨拶を行っているときに、ふと経営者として感じたことがありましたので、この場を借りてお伝えしていきたいと思います。

リスク無くして、リターン無し

会社を経営している限り、リスクというのは付き物です。

ですが、そのリスクを取らなければ、会社が成長するためのリターンは望めません。

外部へ自社をアピールするための広告費、未経験の人材を一から育て上げるための人件費、企業が経営をしていくには、ただそれだけでも膨大な資金が必要になります。

しかし、これは数年後の自社への投資。

教育や成長に必要な費用を出し渋っていては、企業としてのリターンはありません。

この仕組みは”子育て”に似ているのではないかと、私は感じています。

言い回しが適切かどうかは分かりませんが、子どもを生み、育て、家を持ち、一人の人間の成長を見守るという日々に費用はかかりますが、大きく成長した子どもたちからは、時折思いもよらないリターンを受け取ることがあります。

人が一人成長するために必要な運動、食事、日々の生活というのは投資効率的な面からいうとマイナスです。

それはそうですよね、お金が出ていくんですから。

しかし、人はみな食事を摂らなければ生きていけませんし、適度な運動をしなければ健康体ではいられません。

つまり、私たちは”ただ生きているだけ”で、日々、投資とそれによるリターンを繰り返しているのです。

企業としての収支のバランス

クロスリテイリング株式会社は今期で9期目に突入いたしました。

現在は売上に対して、1~2割程度の利益率を出しているという状態です。

少ないのでは?と感じた方もいるでしょうね。

実は、これは会社として各方面に投資をしているからなんです。

外部の会社に対しての広告費、弊社を紹介してくださる方への紹介料、会社を維持するための人件費、家賃、活動費・・・。

売上の8~9割程度は(投資的な)費用として出ていきます。

ですが、これはなにもクロスリテイリングだけではありません。

長期的に成長を続けている企業というのは、稼いだ売上の内、9割程度を経費として吐き出しています。

正直言って、このバランスがとても難しい。

私は今まで様々な経営者を見てきましたが、短期間で稼ぎすぎてしまい、売上の7割といった多くの利益率を出した企業は、その後一気に業績が悪化し、衰退していっています。

長期的に成長していくためには一気に稼ぎすぎず、使いすぎず、バランスを保つことが重要なんです

お金は血液と同じです。

身体の中で作り出され、血となり肉となり、適切な量で循環を繰り返します。

企業も適切なスピードで成長し、適切な量を稼ぎ、その中でスタッフが世の中に適切な量の資金を消費していけば、自ずとゆるやかに成長し続けることが出来るんです。

潰れていくのは、その循環を止めた会社。

例えば自社だけで資金を独占しようとしたり、経営者が一人で富を独占しようとしたり、そういった会社はどこかで歪みが生まれ、いずれ上手く回らなくなります。

奇跡の僧侶の話

これは信じてくれても、信じてくれなくてもいいのですが、私が若い頃にバックパッカーとして世界中を旅していたときのこと。

インドの僧院で、焚き火をしているお坊さんがいました。
(インドも北部のほうは寒いので、よく焚き火が行われています。)

彼の周りには多くのお客さんで、人だかりが出来ていたので、私は現地で出会ったバックパッカーの友人と二人で、その野次馬に混じることにしました。

しばらくぼーっと彼を見ていると、突然彼が私の横に座っていた友人に近づき、持っていた焚き火の薪で、友人の腕をジュッと焼いたんです。

もちろん薪には火がついており、友人は「ぎゃあ」と叫びました。

しかしお坊さんは動じた様子もなく、友人の腕に自分の手をかざすと、たった今出来たばかりの火傷を、その場で治してしまいました。

信じ難いですよね。

私も信じられませんでした。

でも、現実に、私の目の前で起こったんです。

その僧侶は私に言いました。

「奇跡的な現象というのは、実際に見せないと信じてもらえないだろうから、見せました」と。

純粋に『すごい人だな』と思いました。

余計な感情は取っ払われ、私は彼の話に聞き入りました。

目の前でそんな奇跡的な現象を見せられたら、私は彼を信じざるを得ないですから。

しばらくして友人が彼に聞きました。

「どうやったら私はお金もちになれますか?」と。

すると彼は迷いなく、「稼いだお金の8割を世の中のために使いなさい」とそう言いました。

稼いだお金の8割を世の中のために使えば、2割は貯金として残る。

その2割以上のお金を自分だけのものにしようと溜め込んでしまうと、いつか歪みが生まれ、家族が病気になったり事故が起きたり、一気にお金が吹き飛ぶような不幸に見舞われる、と。

そのとき、彼が最後に言った言葉は、いつまでも私の心に残っていますし、今でもそれが経営者としての教訓にもなっています。

「人間は、自分が手にしたものを他人に与えるために、この世に生まれついたのだから。」

最後に

前述しました通り、クロスリテイリング株式会社は今期で9期目となりました。

彼の言葉には、今でも素直に納得することが出来ています。

稼いだお金をある程度、貯金しておくという行為は決して間違いではありません。

しかし全てを丸々貯蓄に回してしまうと、お金は有効的に使われなくなり、 あなた自身の資産も底止まりとなってしまうのではないでしょうか。

収入と支出、そして循環のバランスは個人でも企業でも同じです。

この“バランスを考える”という行為そのものが、私は投資家としてのあるべき姿だと信じています。

そもそもの資金が少ないのに、一気に稼ごうとしてはいけないし、逆に稼いだお金を一銭も使わないというのも、ある種の罪なのではないかと思っています。

PAGE TOP