※これは2017年5月19日の記事です。
今回は弊社の会員さまから、私宛てにご質問が届きましたので、その解答をここでさせていただきますね。
今回のご質問は日本経済の行末について、核心をついた質問でした。
もしも日本経済が今後破綻したとしても、あなた自身、そして家族を守れるのは、あなたしかいません。
ぜひ今回の記事を最後までご覧いただき、未来に備えていける投資家、経営者を目指していただければと思います。
日本の借金額、ご存知ですか?
まず初めに、今回届いたご質問をご紹介いたします。
日本は借金まみれで、それなのに毎年借金が増え続けていますよね?
自分も最近は日本や世界の経済などに関心がでてきて、色々ネットで調べたりしています。
このままだと日本は2030年頃までには財政破綻すると、専門家の方が言っていましたし自分もそう思います。
しかし、日本は絶対に財政破綻しないという方もいて、なぜなら、借金(国債)が返せなくなったら日銀がお金を刷って返せばいいからだという事です。
この件について見解を教えてください。
このご質問者さまのように、日本経済の行末について不安に思っている方は多いかと思います。
すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、日本の借金は現段階で1000兆円を超えています。
2030年頃までに財政破綻すると考えている方がいても全くおかしくはありませんし、むしろ、それに備えて準備する方が投資家としては正しい行動です。
備えあれば憂いなし。未来は誰にも分かりませんからね。
国の借金は一生涯なくならない?
さて、では日本が抱えている1000兆円という借金は、どの程度深刻なものなのでしょうか。
そうですね。正直言って1000兆円というのは大変な額です。
国もこのままで良いとは決して思っていませんし、どうにかして借金を減らしたいと試行錯誤はしていると思います。
ですが、厄介なことに、そうやって国の借金を減らそうと努力している人たちは「国会議員」という役職なんです。
なにが言いたいかと言うと、彼らは選挙に出て、国民の支持を得なければ、その土俵にすら立てないということ。
彼らは選挙期間の中で、国民の支持を得るために、公約をします。
たとえば「高等教育を無償化します」だとか「高齢者介護に手厚く税金を投入する」だとか。
特に介護、医療、教育の三項目は国民の関心が高いですし、最近では、国を守るための防衛費も増加傾向にあります。
公約を充実させ、国民に優しい政治を掲げることで、彼らは選挙の票を集めているのですが・・・
もうお気づきですよね。
結局これらの施策を行うためには、それ相応の費用がかかるのです。
彼らが国の借金を無くすためには、相当きつい締め付けを強制したり、コストカットをしていかなければなりません。
しかし、なにをするにもお金はかかります。
このままでは質問者さまの言うとおり、日本はどんどんお金が無くなり、数十年の間に経済破綻を起こしてしまうでしょう。
借金返済のための二つの選択
つらつらと日本の現状について記載してきました。不安にさせてしまった方もいるでしょうね。申し訳ありません。
では、ここからは日本が経済破綻しないための対処法について、私の考えをベースに質問にお答えしていきます。
まず一つ目は、『借金棒引きの徳政令を出すという考え』からです。
実は、国が抱えている借金の約9割は、我々国民に対してのものなんです。
そのため、国民が国に貸しているお金をあきらめてしまえばいいのでは?という意見があるんですね。
確かに我々国民が今までの借金を一度帳消しにし、そもそも日本に借金など無かったかのようにしてしまえばいいと思うかもしれません。
しかし、国民に対する借金というのは、銀行や生命保険などの金融機関、そして年金基金などを通して貸しているもの。
これをチャラにしてしまったら、銀行はすぐに破綻するでしょうし、連鎖的に多くの企業が倒産に追い込まれることになります。
国の借金は無くなるかもしれませんが、日本経済は死んでしまいます。
では、二つ目です。
『日銀がお札を刷ればいいという考え』についてです。
これは日本銀行がお札を大量に刷って、借金の返済に充てればいいのでは?という考えです。
たしかにこれが最も手っ取り早く、借金を返済出来る方法かもしれません。
しかし大々的にこれをやってしまうと(今でもインフレ率達成のためにやってはいます)、円紙幣が世の中に大量に出回ることになり、すぐに円の価値が下がってしまいます。
今の1万円の価値というのは、いま出回っている1万円の数だからこそ成り立つものなんです。
もしも今の倍の数の1万円札が出回れば、1万円の価値は相対的に半分となるでしょう。
もちろんその分、借金の価値も下がることにはなりますが、通貨として円自体が弱くなってしまい、一気にハイパーインフレが進行してしまう可能性もあります。
ハイパーインフレというのは極端にいうと、200円でパンを1個買えた時代から、パン1個買うのに10万円もかかるような世の中になってしまうということです。
そして、円の価値が下がると、世界からの日本に対する信用が失墜してしまいますから、正常な貿易を継続することは困難になってしまいます。
一度こうなってしまうと、いくつかのアフリカ諸国のように、もはや通貨としても国としても信用が無くなってしまうので、その後の国政運営すらできなくなってしまうという大混乱に陥るでしょう。
この先も日本で生きていくためには
では、政府はこれに対してどういった考えを持っているのでしょうか。
あくまで予想でしかありませんが、徐々にお札を剃っていき、緩やかなインフレを起こそうとするのではないか、と私は思ってます。
同時に国民から出来るだけ税金を取れるように、税制の改革を進めていくでしょう。
税収が高くなることを利用して、借金の返済にあてようという考えですね。
日本が徐々にインフレに向かうことによって、国の借金はそれだけ本質的に目減りしていきますし、税収も増えれば一石二鳥かもしれません。
私はこの先10年程度で、物価は今の5倍くらいに上がるのではないかと予想しています。
そんなのありえない、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際、15年ほど前までは缶コーヒーは100円(場所によっては80円など)で購入することが出来ていました。
つまり、物の値段は15年前に比べて1.3倍ほど膨れ上がっているのです。普段は気にも止めないかもしれませんが、インフレはもうすでに起きているんです。
国民の所得は徐々に減っていることを踏まえると、「10年後に(実体性として)物価が5倍程度に上がる」というのは十分あり得る話です。
最後に
今回は日本経済の行末について、私の考えをお伝えいたしましたが、いかがだったでしょうか。
いつになるかは分かりませんが、日本の経済はハイパーインフレないし、緩やかではあっても、インフレにはなると思います。
オイルショックのときのような事態が起こる可能性も否めません。
私の周りでも海外不動産を持ったり、FXのスキルを上げ、リスクヘッジを行いながら資産運用をしている方が多くいます。
ぜひあなたにも、稼ぎ続けるトレーダーから資産を守ることの出来る投資家、経営者へと成長していっていただきたいと、そう心から願っています。