※これは2019年6月5日の記事です。
先月までは天気のいい日が続いて、気持ちいい陽気が多かったですね。
ただ一方で、気分が重くなるような話題も少なくありませんでした。
今回はその中のひとつ、金融庁から出た「異例のアナウンス」について言及してみたいと思います。
この内容を受けて、私たちはどのように考えるべきなのか。
また、日本という国はこれから、どこに向かっていくのか。
投資と向き合うきっかけにもなるはずですので、ぜひ最後までご覧になってくださいね。
年金制度はもう、崩壊している!?
すでにニュースでご覧になった方も多いと思いますが、先日、金融庁から驚くべきアナウンスがありました。
一言でいえば「年金制度はもう、もたないだろう」という内容ですね。
少子高齢化が進み、お年寄りの人数は増えていく一方で、それを支える生産人口は減っているのが日本の現状です。
その中で私も含め、いま働いている国民は年金の受給が開始しても、それだけで生活していくのは無理だろう、という発表でした。
金融庁がこうした発表をするっていうのは、正直どうなのでしょうか……。
これまで累計、何百兆円という損失を、すでに社会保険料の運用で失敗していて、ここにきて、年金制度自体もたないだろうと言っているんですよね。
正確には、受給額で考えると約2,000万円の不足になるだろうということですが、その結果、生活が成り立たないだろう、というのは衝撃的な話です。
そして、金融庁が国民に何を求めたかというと、「自助努力をするべき」「お金は自分自身で稼ぐ」「資産運用、投資の活用」という3つでした。
1つ目の「自助努力」とは具体的に何をするのかというと、家計を見直したり、無駄な支出を控えたりしてほしい、といったところですね。
国は本来、景気を衰退させてはいけないため、消費を活発にさせたいわけです。
しかし将来はおそらくお金が不足していく。
年金も満足に用意できないだろうから、家計の見直しを行ってくれ、というのです。
これはだいぶ、苦肉の策かなと感じますね。
そしてもうひとつ「お金は自分自身で稼ぐ」というのはつまり、できる限り就労してください、ということ。
昔なら60歳の定年で、その後は公的年金で余生を送るのが当たり前だったかもしれませんが、20年ほど前から徐々に、年金の受給年齢が引き上げられて65歳になりました。
今後はおそらく70歳、80歳と年齢が引き上げられることも考えられます。
そしてすでに、政府は高齢者の雇用を促進しています。
人生100年時代といわれている中で、就労を通じて、やりがいや生きがいを得てほしい、といったかたちで言葉こそオブラートに包まれていますが、結局これは、お金は自分で稼いでくださいってことですよね。
そして3つ目の資産運用、投資でお金を増やす、というのは就労とはまた別のかたちでも、資産を増やす手段を考えるという話ですね。
金融庁が国民に伝えている3つの内容について、その発端はすべて、年金制度が崩壊して受給するのが難しくなる、というところにあるわけです。
経団連会長の発言と、日本社会の未来
ところで、同じような時期に経団連の会長が「終身雇用制度は崩壊しています」といった発言をしたことも話題になりましたね。
「終身雇用制度ってすでに崩壊した、古い考えでしょ?」と思う日本人も多いかもしれませんが、それを今回、経団連の会長が発言したというところが重要なんです。
そもそも世界を見渡してみると、終身雇用制度は珍しいものではありません。
雇用するということは、できるだけそこで働く人たちの面倒を見ていく責任がある、というのは、欧米では意外と浸透している考え方なんです。
そんな中で、経団連の会長がこのように発言するというのは、つまり「これからの日本企業は、実力のある人だけしか生き残っていけませんよ」という意味が込められているといえます。
また、もうひとつ経団連の会長が言及していましたが、就業して定年退職まで保ち続ける会社は、もはやこの後の日本ではないだろう、といった内容も見逃せません。
数十年前から日本ではリストラなども当たり前になってきていますが、それがさらに激化していくことが、ここからも想像できますね。
そんな日本の未来を生き残るためには、会社に頼るのではなく一人ひとりがしっかりしてくださいね、という要素が、経団連の会長による発言には、込められていると思います。
これって、先ほどの年金制度の崩壊という話題とリンクして考えられると思いませんか?
私自身も10年前から、さまざまなところでお伝えしてきましたが、日本はいま、昔のようにお金持ちの国ではなくなってきています。
東南アジア諸国、特に中国や韓国、タイといった国々がどんどん台頭してきていますよね。
もちろん、日本経済について前向きに捉える専門家もいます。
いざとなれば造幣局でお金を刷れるのだから、ハイパーインフレ覚悟で国を存続することも十分に可能だという意見もあります。
ただし、それは本当にいざという時の選択肢です。
その頃には日本の生活は、想像以上に困窮していることでしょう。
税金も上がり、社会保険料も上がっていくような時代が訪れることを考えたら、そこで生き残るためにも、一人ひとりの自助努力がより一層、求められる時代になったんだなという大きな実感がありますね。
ピンチをチャンスに変えるためにできること
こうした時代の到来というのはトレンドの流れともいえます。
世界的なトレンドというのは、何十年、何百年と変わりません。
それがいま、日本の没落というかたちでやってきているわけです。
これまで長らく栄えてきたとしても、そのままずっと栄え続けるというのはやはり難しいものです。
他の国だって、国としての体力をつけながら上がっていきますからね。
世間を見渡してみても、バブル期と比べ物にならないほど給料は下がり、退職金制度がほとんどなくなり、賞与ももらえないなど、いまの日本にはいろいろな要素が重なり、大きな時代の転換点になっています。
すでに、経団連の会長や、金融庁といった国に繋がる大きな存在が、異例のアナウンスをする点を見ても、これはずっと未来の話ではありません。
このピンチをチャンスに変えなければ生き残ることができない日本で、私たちがやるべきことというのが、それこそ資産運用や投資といったことになると思っています。
特に私は、これまで何度もお伝えしてきたように、トレードが手っ取り早いものだと思います。
学習すれば誰もがある程度、毎月お金を増やしていけますし、この時代にトレードを学び、取り組む価値は十分にある、むしろその力をつけなければ、生き残るのが難しい時代になったとさえ感じます。
だから今後も私は、資産の防衛や資産運用を続けていきますし、自分自身はこれまでも10年以上、トレーダーから投資家、また経営者といったステップを進んできました。
みなさんは10年間を振り返ってみてどう感じるでしょうか。
何もやってこなかった、時代の変化に焦ってしまう、という方もいるかもしれませんが、今ならまだ間に合います。
今ここで、気がつくことが重要なんです。
これまで10年間、何もしなかったとしても、これから5年、10年と続く人生でどういうことをしていくか、人生設計することが大切だと思います。
「会社や国を頼る時代」はもう終わってしまったので、これからは自分自身で、どうやってお金を増やしていくのかを考えて、あなたの人生、また大切な家族などを守っていくような方法を考えていってもらいたいなと思います。