メッセージ

「水のように変化する存在でありたい」

私は起業当初から、常にこの思いを経営に反映させようとしてきました。

世の起業家は誰でも、大いなる夢と希望を持って会社を立ち上げますが、
1年以内に60%の会社が倒産し、 10年経つ頃には97%の会社が淘汰され、
そして20年後には実に99.7%の会社がこの世から姿を消します。

夢も希望も潰えて、一家離散、破産する経営者もたくさんいます。
営業に強い会社や社員を家族のように大切にする会社、
マーケティング戦略に長けた会社、革新的なサービスを展開している会社も、
そして大企業であっても関係なく潰れていきます。

しかし、0.3%にあたる、ほんの一握りの会社は存続し続けます。
それはなぜでしょうか。理由はひとつしかありません。
それは、「時代に合わせて変化できる」からです。

古い体質から脱却できなかったり、時代を読み違えたりしている会社は、
その時に求められるサービスや商品を提供できないので、
いくら創業時のアイディアが素晴らしくても会社は存続できません。
会社が存続できなければ、どんな崇高な志も達成できないのです。

では、時代の流れはどこに存在するのでしょうか。
大人たちには理解できない、しようとしない、時として否定さえする若者の世界にこそ、
時代に合った生き残りのヒントがたくさんあります。

昔、教育上よくないとされて子ども達の手から取り上げられたマンガは、
今や世界に誇る日本の文化になりました。

かつて不良の象徴のように見られていたパンクロックが、
年齢や性別や国境を越えて人々のもとに届き、
やがて世界を動かすメッセージになり得たことを否定できる者は今やいないでしょう。

さらにもっと最近では、これも大人たちが否定し、
取り上げようとしてきたゲーム、スマホ、SNS、YouTubeなどが世界経済を牽引し、
世の中を大きく変えてしまいました。

そんな場所からエネルギーを得て、我々は前進しなければならないのです。

そして私は2008年から、シグナル配信を開始。
1700人の会員様の資産を1年で10倍~50倍にすることに成功します。

しかしこの配信技術自体は、自分が発案したものではなく、
本当は今も会社にいるはずだった「とある人物」が考えたものでした。

彼との出会いは2007年。僕のトレードを見た彼が
「このトレード戦略は価値があるから、商品として販売してみましょう」と
提案してくれたのです。

彼には先見の明がありました。
PDFのコンテンツが主流だった商材業界の中で
あえて配信を活用し、大成功を収めることができました。

このシグナル配信が上手くいったとき、
嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれた彼の笑顔をまだ覚えています。

そして私も、彼とクロスリテイリング株式会社を立ち上げられることを
願っていたのです。

しかし、シグナル配信を始めて1年くらい経った頃でしょうか。

もともと繊細で純粋な人間だった彼は、お金が入れば入るほど、
その使い道に困り、追い詰められていくようになったのです。

そして2009年4月20日彼は自ら命を落としました。

そこで思い知ったのです。
「金銭的な成功を収めてもそれだけでは幸せになれない」ということを。

それから毎年、彼の墓前で会社の1年を報告するようにしています。

お墓の掃除をして、お花と、
彼の好きだったセブンスター、缶ビールをお供えしていると

なんだか、彼がこれからの経営の答えを教えてくれるような気がしたんです。

彼が命を落としてから約3ヵ月後の2009年7月23日。
私はクロスリテイリング株式会社を創業しました。

この年ほどでわかったこと、それは
「会社に繋がるすべての人が幸せであること」を目指した
経営、会社しか発展しないということです。

安定した生活を捨てて起業した自分を支えてくれた家族。
査察があっても誰一人やめることなく助けてくれた社員。

全ての人に感謝しながら会社経営を続けていきたいし、
この年の歩みを、また彼の墓前で報告したいと思っています。

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